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2011年7月の記事

2011年7月29日 (金)

Happiness

幸せだなぁ。と口に出して言ってみる。

住むところもある、食べるものにも困らない、家族もいる。

何の不満もないのに、なぜかいつも虚無感に襲われる。

幸せな気がするのに、ぽっかりと心の中心に穴が開いている感じ。

最初から開いているのか、いつ開いたのかさえ解らない。

自分なりの幸せをつかむために、前だけを向いて頑張っていた時は

気付かなかっただけなのか。

満たされてしまった今だから感じる虚無感であるとすれば、

次のステップを踏み出さなければいけない、

人生の岐路に立っているのだろうか。

この穴はいつか塞がり、全てにおいて幸せだと思えるのだろうか。

それとも死ぬまで、頑張って歩き続けなければいけないのだろうか。

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2011年7月24日 (日)

暑中お見舞い申し上げます

『彼女の誕生日』
 volume 6 美由紀姉

 

美由紀姉こと近野美由紀。

母方の伯母の娘、一つ上の従姉だ。

お互い一人っ子、家が近所という事もあり

小さい頃から共働きの両親を持つ僕は

よく伯母の家にお世話になっていた。

伯母夫婦は僕と美由紀姉とを

本当の姉弟の様に接してくれたから

その頃僕は美由紀姉の事を

本当に姉ちゃんなんだと思っていた。

 

ある日の事。

母親から伯母家族が引っ越すと聞いた。

美由紀姉が小学校卒業後すぐらしい。

引越当日、伯母家族を乗せた引越トラックを

見送りながら僕は言いようの無い寂しさを感じていた。

それ以来、伯母さんに会う事はあっても

美由紀姉とはそれっきり会っていない。

そう、あの日までは・・・。

 

始業式の翌日、僕の学校は部活発表会というのがある。

新入生全員の前で、まとめて部活の勧誘をするもの。

一つの部に与えられた時間は3分。

まずは運動部からだった。

各々の部が短い制限時間の中で、頑張って

部紹介をしている。

剣道部の紹介が始まった。

横でマイクを持っているのは主将だろう。

主将の掛け声とともに打ち合いが始まる。

掛かり稽古と言うらしい。

程なく鮮やかな面が決まる。

お互いの礼の後、面を取って主将の横に並んだ人。

〈あれっ?どこかで見たような気が?〉

主将が言う次期主将候補のその人の

自己紹介を聞いて驚く。

「近野美由紀です。~~」

名前の後は噎せ返って聞こえなかった。

ようやく落ち着いて顔を上げた僕を見て

ニヤッと笑った顔は美由紀姉そのものだった。

 

「あれっ?叔母さん知っていたはずだよ。聞いてなかった?」

始業式の日に渡された全校生徒名簿から

クラスを捜し出して会いに行ったら美由紀姉は

ケロッとした顔で言った。

「聞いてねーよ、そんな事。」

「と、まぁそう言う訳で卒業までよろしくね。」

「・・・」

 

 

「ねぇ、ちょっとカズ!」

「あっ、お早う。美由紀姉。」

「こらこら、学校では先輩と呼びなさい。」

なんで上から目線?と言うか、そっちは愛称なのに。

でも小学校から剣道を始めた美由紀姉に

頭が上がらない僕。

「お早うございます、近野先輩。」

「よろしい。」

「で、何かご用ですか?」

「5月3日何か予定ある?」

「別にないけど。」

「寂しいおのこだなぁ。」

「大きなお世話!で、何?」

「暇ならデートしよっか?」

「えっ?」

 

 

続く...

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2011年7月17日 (日)

豚ちゃんがぁぁぁぁぁぁ復活?

『彼女の誕生日』
 volume 5 『優しい』と『好意』の方程式

 

「(浅野)恵子が長野君が優しいって言ってたよ」

優しい・・・、どういう意味でだろう?

 

中ニの時、同じ様に言われた事がある。

その子は同じクラスだった。

夏休み明け、彼女に廊下で呼び止められた。

なんと、デートに誘われた。

と、言っても一対一では無く

三対三のグループデート。

それでも悪い気はしなかった。

女の子からデートに誘われる事なんて

初めてのことだったから。

しかし現実はそんなに甘くはなかった。

よくよく話を聞いてみると

彼女の友達に好きな男子がいて

それが僕の友達。

僕の友達を誘う為に

僕を含めもう一人を

出しに使ったということ。

そんな無理なお願いでも

僕なら聞いてくれるだろうと

いうのが本音らしい。

それを知った上で参加しようとする僕は

優しいのか・・・?

 

そして、当日。

肝心の主役の友達は来なかった。

前日に都合が悪くなったと

連絡があったと言った。

じゃ、中止かと思いきや

そのまま遊びに行こうと

彼女が言った。

えっ?と思ったが

本音を知りつつ、ほんの少しの淡い期待に

胸を膨らませ、電車に揺られ目的地へ。

でもそんな淡い期待はもろくも崩れる。

そこには池があり、貸しボートがあった。

人数的にしょうがないのか知れないけど

三対ニで、まさか男同士で乗る事になるなんて・・・。

もし予定通りに友達が来ていたら

どんな組合せになったんだろう?

そんな事を考えたら空しくなった・・・。

その後、彼女と何かあった訳でもなく

三年生には彼女も、その友達とも別のクラスになり

卒業まで滅多に顔をあわせる事も無かった。

『優しい』って言葉は好意だけじゃないんだ・・・

と、痛感した中学時代だった。

そんなトラウマな経験をした僕は

優しいと言われても素直に喜べなかった。

 

気のせいか、同じクラスになってから浅野とは

よく目が合った気がする。

だけど、それは僕が気にして見ていたからだろう。

単なるクラスメイトの関係のまま

四月最終の月曜日を迎える。

朝、登校して教室に向かう途中の廊下で

「ねぇ、ちょっとカズ!」

後ろから呼び止められた。

振り返ると、そこには美由紀姉がいた。

 

 

続く...

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2011年7月13日 (水)

山田くんがぁぁぁ

98_20110712_13 第10回ニューヨーク・アジア映画祭で、

日本映画初のオープニング作品に

選ばれた石橋義正監督作『ミロクローゼ』を

引っさげ、主演の山田孝之と石橋監督が

ニューヨークに参上した。

最も活躍が目覚しい注目の

アジア人俳優として、日本人で初めて

第3回ライジング・スター・アワードを

受賞するという快挙を成し遂げた。

最近、『GANTZ』、『乱暴と待機』、『シーサイドモーテル』、『十三人の刺客』

の映画に加えCMやドラマも出ているし、すごい活躍です!!!

これからの活躍が本当に楽しみです。

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2011年7月 3日 (日)

豚ちゃ〜ん、豚ちゃん Come back to me!

『彼女の誕生日』
 volume 4 優しいって?

 

知らない子達の中にいたから

気づかなかったけど

あの子・・・?

 

写真クラブ。

正課クラブを何にしようか迷っていたところ

ちょっと写真に詳しい沖田に誘われて入った。

と、言っても一眼レフなんて高いカメラを

持っているのは沖田だけで僕に至っては

蛇腹カメラでフィルムも35ミリじゃなく

特別なものらしい。

親に言わせれば戦前から

家にあるそうな。

オイオイ、今フィルムあるのか?

と思ったら以外とあるもんで

何件も回る事を覚悟していたのに

一件目の近くのカメラ屋にあった。

 

ただ写真クラブと言っても

写真を撮って来たり、皆で撮りに行ったりで

あとでその写真を評価し合うぐらいで

現像とかの専門的な事は教わらなかった。

だけど、やっぱりそれだけでも写真を撮る事を

続けていると良いカメラが欲しくなるわけで

お年玉とバイト代で一眼レフを買う事にした。

そこで沖田達と学校帰りにカメラ屋に寄った。

そこに一緒にきたのは沖田の部活の先輩で

カメラの師匠でもある葛西さんだった。

面倒見の良い人で、違う部活の先輩だけど

その後カメラも含め、いろんな面でお世話になり

好きな先輩の一人だった。

〈僕の知っている人〉

多分、由香の好きな人って葛西さんじゃないかって思っている。

今年卒業したけど、由香はどうしたんだろう・・・。

って、違~う!

由香の事じゃなくって、あの子は

写真クラブの誰だったっけ・・・?。

 

予鈴が鳴った。

皆が一斉に動きだし、席に着く。

出席番号順だから、あの子が座った席?。

・・・・・。

あっ、そうそう浅野だ。

ガラッと扉が開いて先生が入って来る。

担任と副担任二人だ。

先生の自己紹介の後、点呼が始まった。

最初なので、立ち上がって軽く自己紹介をさせられる。

「長野一仁!」

僕の名前が呼ばれた。

「長野一仁です。2組出身です。宜しく願いします。」

まぁ、こんなものかな、挨拶は。

「水谷博士!」

水谷の番だ。アイツ一年生の時も長かったけど・・・。

「水谷博士です。2組出身です。~~~~」

やっぱり長かった。

「浅野恵子!」

浅野が呼ばれた。

おとなしめの声で自己紹介する。

「浅野恵子です。7組でした。宜しくお願いします。」

 

浅野恵子。

同じ写真クラブだった子。

あまり会話をした記憶がない。

名前をど忘れしていたくらいだし。

でも、これだけは覚えていたらしい。

一年生の時にクラスの女子に言われた事。

「(浅野)恵子が長野君が優しいって言ってたよ」

 

 

続く...

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