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2011年9月 4日 (日)

台風被害は大丈夫?

『彼女の誕生日』
 volume 10 序章

 

通された広間のテーブルの上に料理があった。

料理好きの伯母さんらしく手の込んだ

料理が並んでいる。

「いただきます。」

伯母さんの手料理は久しぶりだ。

相変わらず美味しいと思う。

この味にも小さい頃結構お世話になったなぁ。

 

「あれっ?カズ。何泣いているの?」

美由紀姉に言われて、自分が泣いているのに気づいた。

「あれっ?あれっ?何でだろ?」

慌てて手で頬を拭う。

「やだっ。何でお母さんまで泣いているのぉ?」

見ると伯母さんも泣いていた。

何かおかしな雰囲気になってしまった・・・。

美由紀姉とか伯母さんならともかく

クラスメート等に涙を見られたのは

すごく恥ずかしかった。

 

「あれっ?伯母さん達は行かないの?」

「私達はもう見て来たから若い子達で行ってきなさい。」

伯母さんがそう言うので僕たち4人で行く事にした。

「行ってきます。」

玄関を出て、駅とは反対方向へ向かう。

目指す所はここから歩いて10分位らしい。

近づくにつれて人が多くなったきた。

入口の手前あたりから露店が出ている。

入口を過ぎてしばらく歩くと金魚すくいがあった。

美由紀姉と目が合った。

やる気満々の目をしている。

それと言うのも、小さい頃露店での金魚すくいで

僕に負けてから美由紀姉はやたら勝負を挑んで来てた。

それは美由紀姉が引っ越すまで続いていた。

 

「ったく、相変わらず負けず嫌いなんだからさぁ。」

「カズもでしょ。久々に勝負する?」

「受けて立ちましょ。」

「どうせなら恵子と京子も一緒に四人で勝負しようよ。」

浅野と遠藤が頷く。

それはいいけど、心配事が一つある。

小さい頃、美由紀姉に勝ったのは

美由紀姉がボウズで

僕が一匹すくえただけのことだ。

二人の腕前はドングリの背比べ。

下手をすれば残る二人の方が上手いかも知れない。

 

美由紀姉は僕の横はやりにくいと言って

浅野と遠藤を挿んで一番端に並んだ。

「ヨーイ、スタート!」

美由紀姉の掛け声で勝負が始まった。

やはり僕の腕前は変わってなかった。

と言うか、久々にやった分もっと悪いかも。

でもビリにはなりたくない。

その必死さが叶ったのか、何とか一匹目がすくえた。

「よーし、一匹目!」

美由紀姉はどうかと見た時だった。

「あれっ?」

美由紀姉と遠藤が消えていた・・・。

 

 

続く...

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コメント

なんか青春って感じがしますねぇ。

投稿: 豚ちゃん | 2011年9月 5日 (月) 16時16分

その昔、縁日の金魚すくいで一匹も捕まえられなかったので、頭に来て道具を水の中にぶち投げたことがあります・・・。いやぁ、あの頃は若かった・・・。bleah

投稿: 昔のはーちゃん | 2011年9月 6日 (火) 11時19分

豚ちゃん

そう感じていただいて光栄です。( ̄ー ̄)

投稿: のあ | 2011年9月16日 (金) 00時30分

昔のはーちゃん

今も変わらないんじゃ・・・。

投稿: のあ | 2011年9月16日 (金) 00時31分

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