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2011年10月26日 (水)

まだまだ5月篇

『彼女の誕生日』
 volume 14 緊張

 

ジリジリと目覚まし時計が鳴る。

連休明け、いつものように学校へ行く朝が来た。

ちょうど一ヶ月前の朝の僕は気が重かった。

今日の僕と言えば・・・、すげー緊張している。

 

あの日の夜、僕は美由紀姉の部屋にいた。

浅野の話をするかと思いきや

美由紀姉は多くを語らなかった。

結論は聞かないけど今の思いを

そのまま伝えればいいと思うと言われた。

いろいろ話を聞いて、また悩まれても困るってことらしい。

ただ、改めて「いい子だよ。」とは言われた。

 

その夜、客間の布団の上で僕は悩んでいた。

いや、返事に悩んでいた訳じゃない。

結論は喫茶店での話で決めたままだ。

問題はどう呼び出すか。

前回は一年同じクラスだったから

行動パターンも何となく分かっていたし。

と、言うか由香と同じ部活で僕の友達(男)に

頼んで呼び出してもらったのがホントウのところ。

でも浅野の事は・・・。

一年の時の写真クラブは週一だったし、

例の僕が優しいって話を聞くまでは

気に留めていなかった。

ましてや、同じクラスになってから一ヶ月しか

経っていない。

誰かに頼んでって言っても、訳を知っているのは

浅野の友達の遠藤京子だけ。

おまけに女子クラスなので行きづらいし。

と、言うかそんな二度手間必要ないし。

それより、一人忘れていないか?

って言われそうだけど、

「私は協力しないよ。」

頼みの綱の美由紀姉には、あっさり断られた。

「えっ?何でさ?」

「そう言う事は自分で考えなさい。」

それに

「恵子への返事なんだから、私が先に聞くべきじゃないし。」

って、僕の結論も結局聞かなかったし。

 

結局、自分で何とかすることにし、いつもより15分

早く学校に行った。

僕の部活は朝練がないのが救いだ。

校舎から体育館への連絡通路に立つ。

ここからなら正門から登校してくる生徒が見える。

だけど他にも校門が二つ・・・。

浅野が正門から入るのを懸けるしかない。

しかし、浅野はなかなか来ない。

もしかして他の門から?

 

「あの子、浅野か?」

人ごみの中に浅野らしき子を見つけた。

通路の下に来たので覗き込んで確かめる。

「うゎっ。」

いきなり膝カックンをされた。

慌てて後ろを向くと、そこにいたのは・・・。

 

 

続く...

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