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2011年11月の記事

2011年11月24日 (木)

ご報告。

このたび、結婚することになりましたので、

ご報告させていただきます。

苗字も変わらず、今までと何ら変わりはありませんが

3月18日に挙式予定です( ̄ー ̄)ニヤリッ

今度は何とか、逃げられずに済みました(笑)イマノトコロ・・・

あまり大きい式ではなく、身近なはーちゃんも

式には招待できず申し訳ないのですが。(仕事の関係もあり)

式の後、写真は掲載させていただきたいと思っています。

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2011年11月20日 (日)

浴衣の君は・・・

『彼女の誕生日』
 volume 17 あの頃のまま

 

二人並んで露店を前を歩く。

焼きトウモロコシの醤油の匂いにつられていく。

たこ焼きを美味しそうに頬張る。

しかし、よく食べるもんだ。

「だって美味しいんだもの。」

ペロッと舌を出す。

 

ニ週間前、いつも通り一緒に帰る時

「あのさ、再来週の土曜日祭りがあるんだけど、一緒に行かない?」

祭りの話を切り出した。

「再来週の土曜日?」

「うん、そう。」

嬉しそうな顔をして手帳を見ていたが

すぐ寂しそうな顔をした。

「ごめんね。その日は行けない。」

「えっ?だめ?」

「うん。家の用事で・・・、ごめんね。」

僕の問い掛けにすごく残念そうな顔をして答えた。

 

昼休みに体育館の連絡通路でぼぅっとしてたら

膝カックンをされた。

さては、また水谷かと思いきや美由紀姉だった。

「どうしたの?ぼぅっとして。」

僕は浅野とのやりとりを説明した。

「そっか。しょうがないよね。」

「まあね。そう言えば引越してからしばらく祭りに行ってないんじゃないの?」

「そうだなぁ、平日ばっかりだったし。」

「今年は土曜日だし、誰かさんと行ってくれば?」

「・・・。」

「美由紀姉?」

「えっ?ああ、そうか、そうだね。」

何だろ?この反応。ケンカでもしているのかな。

それでも、数日後

「祭りの日、カズん家に泊まりにいくから、叔母さんによろしく言っといて。」

と言ってきたから大丈夫なんだろう。

まぁ野暮なことは聞かないってことで。

 

二階の僕の部屋の窓から花火が見える。

今年も一人で花火見物かぁと思いながら

外を見ていると、玄関先で聞き慣れた声がした。

「ごめんくださ~い。」

下に降りて玄関の戸を開けると美由紀姉が立っていた。

「いらっしゃい。あれっ?浴衣じゃないんだ。」

「だって電車に乗っている間にシワになっちゃうもの。」

「でも母さんまだ帰ってないぜ。」

「大丈夫。自分一人で着られるから。」

 

「見て見て!新しい浴衣買ったんだ。」

浴衣に着替えた美由紀姉は袖を摘んでクルッと回ってみせた。

「へぇ~、似合うじゃん。」

「えへっ良かった。じゃ、行こうか。」

「えっ?」

「早く支度して!祭りに行くよ!」

「俺も一緒に?やだよ、お邪魔虫は。」

「違う、違う!カズと私、二人で行くの。」

「へっ?」

彼氏も浅野と一緒で都合が悪かったらしい。

 

「さぁ勝負するよ。」

「走ると危ないって!」

神社の本殿でお参りをして露店を一通り見た後

出口付近で金魚すくいを見つけて美由紀姉は走り出した。

「あっ!」

躓いて転びそうになった美由紀姉の手を取って支える。

「ほら、言わんこっちゃない。」

美由紀姉が足首を押さえてうずくまった。

「足どうかした?」

「ちょっと挫いたかも。」

 

「しょうがない。勝負は止めにして帰って湿布貼ろ。」

「うん。ごめん。」

肩を貸しながら歩く。

「通りに出たらおぶってやるから。」

「えっ~!恥ずかしいよ~。」

「だって家まで片足引きずって歩くつもり?20分はかかるぜ。」

「・・・、お願いします。」

美由紀姉の下駄を右手に持ちおんぶする。

「ねぇ、重くない?」

「重いですね~。」

「そういう時は重くないよって言うの!」

頭を小突いてくる。

 

「ねぇ、小さい時にもさ、こうやってカズにおぶってもらったことあったよね。」

「え~と、・・・ああ、あのときも美由紀姉転んで挫いていたっけ。」

「そうそう、でもあまりに危なっかしいんで、ちょうど通りかかった近所の人が

見かねて代わってくれたんだよね。」

「そりゃ、あの時は美由紀姉より小さかったしさ。」

「今じゃ私より背が高いし、力も強くなって・・・、男の子だよね~。」

「あのさぁ、何か馬鹿にしてない?」

「してないよ~、・・・。」

〈でも、ずっとあの頃のままでいられたらいいのに・・・。〉

「んっ?何か言った?」

返事の代わりにスッーと寝息が聞こえてきた。

「美由紀姉?もしかして寝ちゃった?」

はしゃいではいたけど疲れていたんだろうか・・・。

良かった。寝ちゃうくらいだから、足はそんなに酷くはないんだろう。

よく寝てるようだけど、花火が上がる前には起こさなくっちゃな。

じゃないと何言われるかわかんないし。

 

 

続く...

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2011年11月 6日 (日)

携帯もなければインターネットもない時代

『彼女の誕生日』
 volume 16 雨の物語

 

「じゃ、待ってるね。」

「んっ。」

付き合いだしてから、浅野は僕の部活(軟式テニス)が終わるのを

図書室で待っている。

部活が終わったら、図書室に迎えに行って

一緒に帰るのが日課になった。

と、言っても部活のある月・水・金の週3日で毎日じゃない。

それ以外の日は、浅野は友達と帰っていた。

友達も大事にしたいからと浅野は言った。

それなら逆にした方が待たなくていいんじゃないのと

聞いたことがあったけど、本を読んだり

僕がコートにいる姿を眺めたりして待つのが

好きだからと照れくさそうに話してくれた。

そんなことを聞くまで気付かなかったが

図書室からコートが見えるらしい。

「じゃ下手な事出来ないじゃん。」

「下手な事?それってラケットを折った事?」

悪戯っ子みたいな眼をして、クスクス笑いながら聞いてくる。

「えっ?見てたの?」

「うん。スマッシュした時でしょ。」

「まぁ、それはですね・・・、汗で手が滑ってですね・・・」

「何で敬語になってんの?」

大笑いされた。

 

何気ない帰りの会話のやり取りも、始まりは浅野から

渡された小さな手紙だった。

“今日、部活終わるまで図書室で待っててもいい?”

それは僕が渡した四つに畳んだだけのものじゃなく

一枚の紙を折って封がしてあるような感じのものだった。

「へぇ~、こんな折り方もあるんだ。」

それからは僕も浅野の真似をして手紙を折って渡した。

お互い電話で長話が出来ない家庭環境ゆえ

控えめで小さかった手紙も、書く量も増え

だんだん大きくなっていった。

若干人見知り、でも慣れれば陽気で少しドジなところも。

一ヶ月前までは知らなかった浅野の事。

それに伴い少しづつ近くに感じられていく。

付き合うってこういう事なんだなぁと思った。

でも浅野はどう思っているんだろう。

「ナーイショ。」

笑いながら躱された。

 

「やべっ、降って来た。」

六月始めの部活の日。

終わり間近に雨が降って来た。

天気予報で降るって言ってたので、傘の心配はないが

道具が濡れるので慌てて片付ける。

濡れた髪を拭き着替えて図書室に向かう。

「おまたせ。帰ろうか。」

「うん。雨、降って来たね。」

そう言えば、一緒に帰る日じゃ初めての雨か。

 

階段を下りて下駄箱に向かう途中で

浅野の手元に傘がないのに気付いた。

「あれっ?傘は?」

なんて、一ヶ月前の僕なら聞いているだろう。

それでもって美由紀姉に“鈍感”って言われるのだ。

でも、気付いたとき咄嗟に言葉にしなかったのは

少しは僕も成長している(?)んだろう。

照れ臭さを隠しつつ傘を開きさしかけると

はにかんだ笑顔で傘に入って来た。

 

 

続く...

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