ショートストーリー

2011年2月12日 (土)

こんな子がいてもいいと思う

『心の鍵』

 

ゲンかつぎで靴は必ず左から履く。

ペンを一回指で回してから書き始める。

右の眉を指で擦るときは嘘をついている時。

右のすねに三針縫った傷痕。

近所に住む幼なじみの君の事は

何でも知っている。

そのつもりだったのに。

 

知らなかった・・・。

高校を卒業したら、この街を離れると

君の友達から聞いた。

そんな事一言も言ってなかったのに。

そのままこの街の大学にいくばかりだと

思っていたのに。

君の口から聞きたかったよ。

幼なじみなのに・・・友達なのに・・・

友達・・・?

それならなぜ話を聞いた時

頭の中が真っ白になったの?

なぜこんなに胸が痛むの?

 

遅かったのかな・・・?

私・・・

私、君の事が好きだったんだね。

もう簡単に会えないんだと分かってから

気づくなんて・・・。

でもホントは、もっと前からだったかも?

ただ、今の関係が壊れるのが怖くて

無意識に自分の気持ちを

閉じ込めていたのかも知れない。

 

今、君の心の中には誰が棲んでいるの?

君の心の鍵を開けたい。

中を覗いてみたい。

その鍵を私は今、作っている。

今年は買ってきた義理チョコじゃないよ。

もう遅いかも知れないけど

精一杯の私の想いを届けるよ。

でも・・・

やっぱり怖い。

どんな顔をして渡せばいいの?

たった一言が言えない。

 

神様、ひとつだけお願い。

面と向かって「好き」と言える勇気を、私に下さい。

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2010年12月24日 (金)

あれから2年・・・

『君と共に』

 

星を散りばめたような目映い大通りのイルミネーションを抜け

狭い路地を幾つか抜けるとその店はある

看板も小さく注意していないと通り過ぎてしまう

穴場中の穴場のフレンチの店

君と付き合っているときに僕が誘って

君のお気に入りになった

私一人だと迷いそうだね、と言っていたけど

ちゃんと道覚えていたんだね

窓際の席に着き、ワインを頼んで二人乾杯をする

だけど君の目の前の人は僕じゃない・・・

 

ごめんね

あの日、君を一人遺していく事になって・・・

ごめんね

あやまっても、あやまり足りないぐらい

泣き腫らす君を見ているのはつらかった

僕はそのとき何も出来なかったから・・・

 

だけど、神様も捨てたもんじゃないよね

そんな君の深い悲しみをすくい取り

大切にしてくれる人が現われた

君にとってもかけがえのない人になった

ウエディングドレス姿、綺麗だったよ

お色直しのカクテルドレスも良かった

ただ、君の隣に立てなかったのは残念だったけど

 

出来る事なら、生まれ変われるなら

君の子供になりたいな

子供好きな君の事だから

大事にしてくれるから

無理かなぁ(笑

でも、たとえ無理でも

僕の心は、君と共にある

ずっと見守っているよ

 

そうそう、窓の外を見てごらん

君と僕の思い出のホワイトクリスマスが

街を白く染めていく

 

 

 

 

君がいた場所 のアンサーストーリーです。

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2010年11月 7日 (日)

本当に乗っ取りをしようか考える今日この頃・・・

『籠の鳥』

あいしてる

そう動く貴方の唇が好きだった

でもその唇で別れの言葉を告げられるとは思わなかった

でも

嫌いになった・・・とか

他に好きな人が出来た・・・とか

せめて理由を言ってよ

黙っているなんて、そんなのずるいよ

そんなんじゃ私・・・、次に踏み出せない

貴方という籠から羽ばたけない

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2010年3月14日 (日)

想いは通じる?

『眠れぬ夜』


窓を開ける。

カラカラという音だけが夜のしじまに響く。

二つ三つ深呼吸する。

夜空には月が・・・出ていない。

そうか、16日が新月だから殆ど見えないんだ。

でも月明かりがない分、星が綺麗に見える。

この辺りは田舎だしね。


月を見るのが好き。

星を語るのが好き。

それから・・・、君が好き。


ずっと友達だと思っていたのに。

いつからだろう・・・。

あのとき・・・、かな?

自分でもわからない。


そんな君に想いを伝えてから一ヶ月。

勇気を振り絞った日から一ヶ月。

明日の事が、いや、もう今日になっちゃったけど、

気になって、ドキドキして、眠れそうにないよ。


君は今、何してる?

やっぱり寝ているかな?

もし・・・、もしも私の事考えてくれてるなら

嬉しいな。

 

 

 

                    by のあ

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2010年2月13日 (土)

頑張れ、女子!!

『明日は・・・』


さてと、用意はこれで良いのかな?

テーブルの上を眺め、出来上がりに期待しながら君を想う。

おかしなものだね。

母に手伝えと何回も言われても、包丁さえ持たなかった私が

レシピと睨めっこしながら板チョコを刻んでいるんだから。

それもこれもみんな君のせいだよ。


君の事をもっと知りたいから・・・。

君にもっと近づきたいから・・・。


それって・・・、いいよね?・・・ダメ?

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2009年12月24日 (木)

今年も動画じゃなくて (*_ _)

『誰にでも...』


ごめんな・・・。

なんで謝るの?

ホテルのディナーじゃなくてさ。

しょうがないじゃん。甲斐性ないから。

悪かったな、と貴方が怒る。

でも、目が笑っている。


ごめんね・・・。

なんで謝るのさ?

だって...、ケーキだけだし...。

しょうがないじゃん。だって七面鳥なんて焼けないだろ。

すいませんね、と君がふくれる。

でも、すぐ吹き出して笑う。


今年も、二人でケーキを挟んで笑顔で過ごせる幸せをサンタが運んできてくれた。

そして、また一つ小さな幸せが君と居る。

来年からは、もう一人サンタが忙しくなりそうだ。

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2009年7月18日 (土)

豚ちゃんの居ぬ間に・・・

ひとりごと ~小さな嘘~

カーテンの隙間からそっと下を覗く。
朝、いつもの向かいの家の塀にもたれ、僕を待つ君。
学生カバンを下に置き、本を読んでいる。
読書好きな君は夢中になっていて僕の事に気づかない。
ごめんね。
もう少しだけ僕の楽しみに付き合ってくれる?
君の笑顔が好き。
だけど、実の処君の怒った顔も好きなんだ。
ちょっと拗ねたように
「も~、遅い」
と口を尖らすのが愛しく思う。
だから、僕は態と待ち合わせ時間に遅れる。
寝坊したなんて言い訳して。

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2009年3月14日 (土)

前回の続き・・・ホワイトデーストーリー。

のあさんよりホワイトデーのストーリーが届きました。

毎度同じですが、作曲はーちゃん・ファイル変換Nobさん、

画像・編集豚ちゃんでございます。

ではでは、お楽しみくださいませ。

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2009年2月14日 (土)

バレンタイン♪

のあさん ストーリーが届きました^^

おなじみ、はーちゃんの作曲・演奏、

Nobさんにファイルの変換、

豚ちゃんは画像もろもろを担当いたしました。

画像は、壊れたハートを妖精が拾い、修復したハートを

町中にまくという内容になってます。

わかりずらいかも・・・^^;

楽しんでください。

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2008年12月24日 (水)

何とか間にあった

のあさんジャッ~ク( ̄ー ̄)

『名前』

大人になるにつれて聞かなくなるものがある。
自分の下の名前。英語ならファーストネーム。
実家に帰るたびに名前を呼ばれる。普段はそうでもないのだけれど、
この時期になると思い出す。彼女の事・・・。

中学二年生。クラスが変わり教室の半分以上が知らない顔になった。
その中の一人に彼女がいた。
とりわけ目立つ訳でもなく、俗に言う普通の子。
普通なら名前すら覚えていなかったかも知れない・・・。

僕のクラスは担任の意向で二ヶ月ごとに席替えをしていた。
何回かの席替えの後、その年の最後の席替えで
彼女は僕の後ろの席になった。

放課後の掃除。班分けは教室の席の縦の列。
当然のように彼女と僕は同じ班になった。
席替えしてその年最後の掃除は保健室だった。
そこで、ふいに名前を呼ばれた。それも下の名前を呼び捨てで。
えっ?と思い振り返ると、そこに彼女がいた。

彼女はゴミを焼却場に持っていくのを手伝ってと言う。
その時僕は驚いたし戸惑った。だって彼女とはあまり話をしていなかったからだ。
いや、もしかしたらこれが初めてかも。
それが、いきなり呼び捨て?

でも、女の子にゴミ箱二つも持たせるのは何なので、
一緒に行く事にした。
途中彼女が話しかけてくる。明日クリスマスイブだねと。

予定はあるの?と尋ねてくる。ないと答えると、ぱっと笑った。
初めて見た彼女の笑顔は、僕を少しドキッとさせた。
その笑顔で彼女は言う。じゃ、○○に○時に集合ね。

正直、僕はからかわれていると思った。
僕は背も低い方だし、格好よくもない。
それまでにモテたという記憶もなかった。
だからドッキリなんだと思った。
そして約束の日、僕は行かなかった・・・。

クリスマスが終わって冬休みが明けた、新学期。
その日の朝、僕の後ろの席に彼女は居なかった。
冬休みの間に転校していったと先生から聞いた。

この時期名前を呼ばれると思い出す、彼女の笑顔・・・。

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